ソケイヘルニアってどうすれば治るんですか?

ソケイヘルニアとは通称「脱腸」と呼ばれ、男性は72%、女性では3%の割合で乳幼児から高齢者といった幅広い年代に発症します。「ソケイ部」とは足の付け根、骨盤の下あたりにある溝の内側あたり、「ヘルニア」は臓器の一部が正常な位置からはみ出した状態のことを指し、ソケイヘルニアとはソケイ部に腸や腹膜がはみ出す病気です。

初期段階では多少の違和感はあるものの痛みはなく、腹部に力を入れた時や立った時にソケイ部に膨らみが出来、押すと引込むのでソケイヘルニアである事に気づかない例も多いですが、病状が進行していくと痛みや違和感、腹痛、場合によっては息苦しさを感じる様になり、膨らみが硬くなり押しても元に戻らない様になってしまいます。「膨らみが硬くなり元に戻らない状態」とは臓器がはみ出した状態で筋肉に締め付けられている状態なので、血液が回らず細胞が壊死してしまう為、この状態になるとすぐに手術をしなければ命に関わってしまいます。

ソケイヘルニアの手術方法とは、はみ出している部分を切り、周りの筋肉等で再び出てこないように蓋をするといった古来から行われている方法で、近年では日帰り手術が可能になった簡単な手術方法がとられています。術後すぐはつっぱり感が多少残りますが、約2週間ほどで軽い運動が可能になり約3週間で激しい運動ができるようになります。成人の場合は手術でしか治せないので、違和感を感じたらすぐ受診をしましょう。